「ありがとうお母さん
すてきに 生きる姿
たくさん たくさん 見せてもらったよ
あなたの子として 生まれた 喜び
幸せを 大切に 生きていくね」
卒寿を過ぎたばかりの 現世での終わりの日
冷たくなっていく 母の体を
あなたの子 三人の 手の温もりで
温めながら さすりながらの 大切な一時
私は 耳もとで 母のこころに届くように
話しかけ 呼びかけました
母が一番望んでいたと感じた かたちで
見送れたこと 母への 感謝の一時でした
あなたは 幼い頃 母親を亡くし
つらく 淋しかった日々の痛みを
私たち 子どもへの愛に変えて
こうありたかったと願った 夢や希望が
私たち 子どもを 慈しみ育てる
愛の光になりました
眠りに着く前の 暖かい布団の中で
幼かった 私たちに 童話を読む声は
誠と 美しくあること いることの
喜びを伝える 母のことばでした
孫が生まれるまでに 年を重ねた私は
あなたが この世の荒波を
一日一日大切に 愛の理性で自分を律し
生きて来たことが とてもよく分かるのです
子どもの頃 自分に自信を無くし
しょげていた私を 見つめ
「お父さんとお母さんの子だから 大丈夫」
と りんとして言ったそのことばは
今でも 私の胸に 響いています
私も そう言える親になりたいと 今も
ずーっと 自分育てをしています
娘たち夫婦も 孫たちに
そう言える人になってほしい
きっと 孫たちが道に迷った時 言うでしょう
親から子へと 永遠の命をつなぐ ことば
幸せを願う 祈りのことばかも知れません